今年後半、韓国で一番流行ったスローガンは「ジュン·コッ·マ(중꺾마)」。その意味は?
写真提供:KFA twitter
今年後半、韓国で流行った単語は「ジュン·コッ·マ(중꺾마)」
スタートはオンラインゲーム「L.O.L.」ワールドチャンピオンシップで
否定的なテーマだけが溢れていた時期に突然浮上した希望的な文句は拡散を継続
2022 FIFAワールドカップカタールで韓国サッカー代表チームで爆発
今年ももう1ヵ月も残っていない。 日本ではこの時期になるころには一年を振り返り、今年の漢字が何に決まるか、流行語大賞は何だろうか、といったことが話題になるだろう。 韓国では今年の漢字はないが流行語大賞と似た、今年どんなことが流行したのかを振り返るコンテンツが多くなる。
では、今年韓国では何が流行したのだろうか。 今年一年をひっくるめて流行したことを考えると、いろいろあるだろうが、今年下半期だけ限定すると断然「중꺾마(ジュン·コッ·マ)」だろう。 「ジュン·コッ·マ」は韓国語で、「大切なのは折れない心」を略した言葉で、特に今回のワールドカップで韓国サッカー代表チームでよく言及された。
スタートはオンラインゲーム「L.O.L.」ワールドチャンピオンシップで
「ジュン·コッ·マ」の始まりは「L.O.L.」ワールドチャンピオンシップ優勝チーム「DRX」の主将「デフト」(本名:キム·ヒョクギュ)からだった。 彼が率いるチームDRXは出場チームの中で最弱と評価され、優勝とは程遠いように思えた。 誰もDRXを優勝候補として取り上げなかった。 しかし、DRXは最下位ラウンドからスタートし、次々と強豪を退けた後、世界チャンピオンの座につく異変を起こした。 マスコミではこれを「アンダードッグ(弱者)の反乱」と表現した。
DRXが優勝カップを持ち上げたが、スタートは不安だった。 DRXが初の本選グループリーグ試合でヨーロッパ強豪チーム「REG」と戦って敗北したためだ。 だが、DRX主将の「デフト」はあるマスコミとのインタビューで「今日負けたが、私たちだけで崩れなければ十分勝てると思う」として敗北後も揺るがない粘り強さを見せた。
デフトにインタビューした記者は、彼の発言を一文に縮約した。 「REG戦の敗北は大丈夫。 大切なのは折れない心」。このように、今年の最高のスローガンに挙げられる「ジュン·コッ·マ」は誕生した。 「デフト」がインタビューした通り、DRXは優勝に対する屈しない気持ちで、前大会の優勝チームを含め優勝候補を相手に次々と勝利した後、世界トップクラスのチームまで破ってトップの座についた。 「L.O.L.」ワールドチャンピオンシップ史上、最下位ラウンドから始まって優勝したのはDRXが初めてだ。
一番下から上がってきて、誰も勝つとは予想できなかったチームを着実に捉え、「L.O.L.」ワールドチャンピオンシップ優勝までする奇跡の歩みをDRXが見せてくれたのだ。 この奇跡の歩みがファンの胸に響き、該当台詞も一緒にスポーツのアンダードッグ神話を象徴するロマンチックな台詞として位置づけられるようになった。
否定的なテーマだけが溢れていた時期に突然浮上した希望的な言葉は拡散を継続
多くのゲーマー、インターネット放送人が「L.O.L.」ワールドチャンピオンシップ以後、このスローガンを応用してチャットに書いたり、邦題で書くなど「折れない心」は2022年後半Eスポーツで最高流行語として使われ始めた。
そしてゲーム界から抜け出しYoutubeに影響力が拡大し、続いてプロスポーツもこの言葉の流行に参加した。 韓国プロ野球の最終決勝戦である韓国シリーズで野球チーム「キウムヒーローズ」に関する記事に引用され、相手チームの「SSGランダース」の主将もMVPを受賞した後、このフレーズを代入した。
「ジュン·コッ·マ」は以後、色々なSNSでも話題になり、ガールズグループであるLE SSERAFIMとfromis_9もこの言葉を使い、ますます影響力が拡大した。 しかし、この言葉はゲーム界、スポーツ界をはじめとする若い世代で話題になっただけで、誰もが知っているような言葉までにはならなかった。
2022 FIFAワールドカップカタールで韓国サッカー代表チームで爆発
KBS
2022 FIFAワールドカップはいわゆる「アジアの反乱」と呼ばれるほど、アジアで3カ国がベスト16入りする成果を見せた。 死の組で優勝候補のドイツと、戦車軍団のスペインを破って組1位になった日本、強豪デンマークとチュニジアを破って組2位に上がり、アルゼンチンと対等な試合を繰り広げたオーストラリア、組最弱に挙げられたが、ウルグアイと対等に対戦してポルトガルを破って16強に進出した韓国まで、いずれも異変の連続だった。
「ジュン·コッ·マ」は韓国が強豪ポルトガルを破り、韓国サッカー国家代表チームが「大切なことは折れない心」が刻まれた太極旗(韓国国旗)を広げながら歓呼する姿がカメラに撮られた瞬間、全国民に流行り始めた。 実は、この太極旗は代表チームが用意したものではなく、あるファンからもらったものだが、代表チームがこの太極旗を選んだということだけでも、このフレーズが代表チームにどんな意味で近づいてきたのかは言わなくても分かるだろう。
以後、「ジュン·コッ·マ」はどんな場合にもあきらめない不屈の意志·精神を表す大衆言語として位置づけられた。
就職や勉強、ダイエットなど個人的な挑戦を継続する国民たちは、カカオトークの個人プロフィールのメッセージに相次いで「折れない心」を書き留めて、意志を固めている。
韓国代表チームの試合を見て退社を決心したというある会社員は有名大学コミュニティサイトに「一度生きる人生30代半ばを眺めている今、最後に挑戦してみたい」として「挑戦して失敗することもあるだろう。 それでも後悔なく私がしたいことのために最後を燃やしてみたい。 大切なことは折れない心」という内容の誓いを掲載し、大きな反響を呼んだ。
また、「就職寒波」に挫折したある若者もネットに「W杯を見て万感が交差する。 来年の就職市場はさらに厳しいだろうが、最後にもう一度挑戦してみようと思う」とし、「大切なことは折れない心」と振り返った。
企業も先を争って「ジュン·コッ·マ」という言葉を営業に活用している。
カカオトークはワールドカップ競技に先立ち「カカオトーク注文」通知トークに「折れない注文」という言葉を入れてチキン、ピザなど配達メニューを注文することを滑稽に表現した。
同様に、ハンバーガーフランチャイズのバーガーキングも、カカオトーク通知トークに「折れない割引」という言葉を入れて4日までバーガー2個6千ウォン割引イベントを行った。